最近アメリカの10年債利回りが上昇してきています。
一般的に「10年債利回りが3%に近づく、または越えると高配当株が売られ株価が下がる」と言われています。
なぜこんな事を気にしだしたかと言うと私が保有している、米国高配当株のフィリップモリス(PM)の株価が急落しているからです笑。
株価急落の原因は決算が悪かった事なのですが、それにしても下げすぎです。PM以外の高配当株も全体的に下げています。
資産安定のために購入した高配当株がなぜこんなにも下げているのか?株式の債券の利回りの相関性の調査も交えながら、ちょっと調べてみました。
株式利回りと債券利回り
私たちが株に投資する理由は「利回りが高い=儲かる可能性が高い」からです。
株がなぜ利回りが高いかと言うと、それだけリスクが高いから。つまり株の利益はリスクに対するプレミアムなんですね。
しかし債券の利回りが高くなってくるとリスクをとる必要がなくなります。債券は基本的に無リスク資産なので、債券の利回りが高ければ株を売って債券を買う人が増えてくるんですね。
つまり債券の利回りが上がるというのは、株価の下落(特に高配当株)の原因になりえます。
歴史的に配当利回りは債券>株
元本割れのリスクが、リスクのない債券より利回りがあるのは当然ですが、配当利回りだけで言えば歴史的に債券の方が利回りは高いです。
この少し見づらい図を見ていただければ分かりますが、歴史的にみて債券の利回りが3%という数字はそんなに高くない事がわかります。
1960年〜2010年を見れば株と債券の利回りは連動しています。そして2010年以降は逆の動きをしていますね(株の利回りが上がって債券の利回りが下がっている)。
これは近年、債券が不人気の金融商品だった事も関係しています。
リーマンショック後に低金利政策と、それに連動した長期金利の低下傾向があったため長年、債券という金融商品は不人気でした。
近年の動向をみても投資家たちは安全資産に債券ではなく、ディフェンシブ株やインデックスファンドといった金融商品を持つことが定番ですよね。
債券>株の利回りになったらどうなるか
では債券>株の利回りになったらどうなるか。
過去に債券>株となったのは1955年から約4年間ありましたが、特に株価は急落していません。
つまり債券>株の利回りになったからといって株価に影響するとは過去のデータを見る限りは考えにくいという事です。
債券と株価の相関性はあまり気にしなくて良いかも
結論的に言えば債券と株価の相関性はあまり気にしなくて良いというか、時と場合によるというのが正解ですね。
ただ市場が債券利回りが高いことを意識しているのは間違いなさそうです。
リーマンショックから10年経過してますし、景気サイクルを意識して株を買うのを思いとどまっている方も多そうですね。
しかし景気自体は悪くなってませんので、株価上昇は難しくてもおおきな下落はなさそうですね。
で、フィリップモリスの株はどうするか?
で、下がってしまったフィリップモリスの株ですが、どうしようかと考えました。
利益は落ちていますが、売上高は前年比+13.7%ですし、15%も下げるような悪い決算に見えません。
タバコの売上は5%ほど落ちていますが、iQosの売上は2倍になっています。iQosさえ売り上げが伸びればまだ問題ないと言えます。
世界的には紙巻タバコは縮小傾向ですが、フィリップモリスは将来的に紙巻タバコの撤退を表明していますし、こちらも問題なし。
懸念されるのは利益低下による配当の低下です。
2018年3月21日時点で株価101$、配当利回りは5%あります。
仮に現在の株価85$で配当利回りを計算してみた結果…なんと約6%もあります!
多少利回りが下がっても問題なし!という事でフィリップ・モリス株を追加投資する事にしました。