会社に入社した当初の話しなんですが、私の会社は家賃手当てがありまして条件が以下の通りでした。
「持家、賃貸に関わらず60㎡未満が月々18000円、60㎡以上が月々24000円の家賃手当を支給する。」
私は実家暮らしなので関係ないや、と思ってましたが、ふとある事に気付きました。
「持家、賃貸に関わらず」
つまり家の所有権だけ私に移してしまえば、家賃手当てがもらえるかもしれない。
会社に確認したら、ルール的には問題ないとの事(問題ありありな気がしますが..)。
会社のルールでいくと、私の実家は65㎡なので毎月2万4千円もらえる事になります。
という事で家賃手当てをもらうために、実家の所有権を私に移す(贈与する)事にしました笑。
贈与するにあたり所有者移転登記という手続きをする必要があるみたいです。
簡単に言いましたが、結構めんどくさかったので手順や注意点など書いていきたいと思います。
参考になる方が少しでもいれば幸いです。
実家の贈与(所有者移転登記)の手順
私が実際に行った実家の贈与(所有者移転登記)の手順は以下の通りです。
- 必要な書類(不動産評価証明書、住民票、印鑑証明書、登記簿謄本)を取得
- 登記契約書を作成(これが少しめんどくさい)
- 法務局に行って手続き(登録免許税をおさめるなど)
- 不動産を取得した事を県に申請。その後、不動産取得税を納める
- 贈与した年の翌年2月1日から3月15日に税務署に贈与税を納付(確定申告会場でもできます)
丸三日かかりました。住宅手当てをもらうためにがんばりすぎだろって思う人もいるかもしれませんが、年間で約30万もらえますから頑張れました。
次に実家の贈与にかかった費用です。
住宅の贈与の費用
まず実家の所有権を私に移すために生前贈与するための費用が以下の通りです。
私の場合、全部で65400円かかりました。
内訳は以下の通りです。
- 贈与税 5000円
- 不動産取得税 34500円
- 登録免許税 23000円
- 不動産評価証明書 300円
- 住民票 300円
- 印鑑証明書 300円
- 登記簿謄本 2000円
合計 65400円
ちなみに税金関係は家の価格によって変動しますので、高くなる人はもっと高くなります。
これから贈与にかかった費用について説明していきます。
贈与税
まず実家を親から私に贈与する形になりますので贈与税がかかります。
どこからでも税金をふんだくるんだなこの国は…と思いつつも、税金なのでしょうがない。
贈与税の計算方法は以下の通りです。
(不動産評価額 - 110万円(基礎控除額))× 金額に応じた税率(%)
金額に応じた税率は以下の表を参考にしてください。
不動産評価額は毎年送られてくる固定資産税の通知書に記載されています。
余談ですが、この時私の実家(ボロイ)の不動産評価額を知ってびっくりました。
その額なんと115万円です。家の価格ですよ?!
プラス土地の評価額が90万円で合わせて205万円でした。
確かにすごい田舎のボロイ家なんですが、こんなに安いとは…。
贈与に限って言えば不動産評価額が安い事はいい事ですので、前向きにとらえて上記の計算式に照らし合わせて計算してみました。
贈与税が5000円ってしょぼいですね笑。
まあ安いにこした事はありませんので…。
不動産取得税
不動産取得税なんてものもあるみたいです。
どこからでも税金をふんだくるんだなこの国は…と思いつつも、税金なのでしょうがない(二回目)。
不動産取得税の計算方法は以下の通りです。
(不動産評価額)× 3%(住宅税率) ※平成30年3月31日までの税率
よって私の実家は昭和57年1月1日以前に建築された物件でしたので、軽減対象とはなりませんでした(すごい古い家ですよね)。
115(不動産評価額)× 0.03(住宅税率) = 34500(円)
になります。
登記費用
登記は本当に面倒でした。
基本的に登記は司法書士に頼めば全てやってくれるのですが、10万円ほど費用がかかります。
自分でやれば手間はかかりますが、安く済むみたいなので自分でやってみました。
自分で登記をした場合の費用内訳は以下通りです。
- 登録免許税(固定資産税評価額の2%)・・私の場合は、115万×0.2=2.3万円
- 評価証明書の取得(約300円位)
- 住民票(約300円)
- 印鑑証明書の取得(約300円)
- 登記簿謄本(約2000円)
私の場合ですと家の価格が安いので25900円で済みます。
家が安いっていい事もあるんですね。
登記の契約書作成
次に登記の契約書作成です。
所有権移転登記申請書(贈与)という契約書を自分で作成する必要があります。
法務局のホームページに契約書の見本とテンプレートがありますので、見本の朱書き(赤で書いてある所)を自分の内容に当てはめて書いていきます。
書類に押した印鑑は実印にしました。
実印の数少ない出番ですね。もちろん普通の印鑑でも可能です。
不動産所有者(私の場合は父親)にも捺印してもらう必要があります。
法務局で手続き
契約書ができたら、登記の契約書などを持って法務局で手続きをします。
法務局に行く際は注意点があります。
1.登録免許税の支払い
法務局で登録免許税を支払う必要があるのですが、登録免許税は現金もしくは収入印紙で支払う必要がありますので必ず準備していきましょう。
2.相談窓口の活用
法務局へ行く際は相談窓口の予約をとって行く事をおすすめします。
相談窓口では担当の方が登記の書類内容のチェックなどをしてくれます。
相談窓口を利用しない場合はそのまま書類を提出するだけですので、契約書や書類が間違っていた場合は登記をしてもらえない可能性がありますので、初めて登記をする方は必ず相談窓口を利用するようにしましょう。
不動産取得税の軽減措置が対象の場合は税務署に申告
不動産取得税には対象の家屋や土地に対して、軽減措置が適用される場合がありますでの対象となる方は不動産を取得した事を税務署に申告する事で軽減措置を受けられる可能性があります。
不動産取得の軽減措置について
申告方法は申告用紙を記載して税務署に送付するだけです。
各県のホームページに不動産取得申告書(紙1枚分だけ)がありますので、記載して送付するだけなので簡単です。
私の実家は昭和57年1月1日以前に建築されたものでしたので軽減対象とはなりませんでした(すごい古い家ですよね)。
贈与税を納付
不動産を贈与した年の翌年2月1日から3月15日に贈与税を納付します。
贈与税を納付方法はいろいろありますが、私は確定申告会場に行きました。
また基本的に税務署は平日しか営業してませんが、納税時期は日曜日に確定申告会場で仮説事務所を作って営業している事があります。
職員の方が記載内容を確認してくれますので、税務署や確定申告会場に行くと確実です。
手続きは簡単ですが、納税時期は人がいっぱいですので待ち時間がかなりあります。
私は納税手続きに4時間ほどかかりました。
まとめ
という事で以上の作業を無事に終え、会社から家賃手当2万4千円を毎月頂けるようになりました。
贈与にかかった費用は約6万5千円+法務局までの交通費でしたので、家賃手当3か月分でペイできますね!
贈与の手続きにかかった労力は計り知れませんが、将来自宅を購入した時なんかにも役立ちそうな経験でしたので、終わってみれば「自分でやってよっかった」と感じました。
会社に家賃手当がある方は今一度、手当を取得できる条件を見直してみると、もしかしたら私のように家賃手当をもらえるようになるかもしれませんよ。